全国市民オンブズマン連絡会議 事務局
内田 隆さんより転送
今回で11回目を迎える日隅一雄・情報流通促進賞2023の
奨励賞に、日本で発生する人権侵害について国内外で人権問題
として発信する藤田早苗さんの書籍「武器としての国際人権」
執筆を含む国際人権活動が選ばれました。
https://www.hizumikikin.net/20
23/6/10に東京で行われた授賞式に、藤田さんは
Zoomで参加しました。
https://note.com/sanae_fujita/
本人の許可を得たので、スピーチを転載します。
藤田さんは2023年6月下旬-7月まで、国連人権機関を
訪問しますので、よろしければ交通費・滞在費の
カンパをお願い致します。
https://hyogen-tsutaeru.jimdof
◇ カンパお振り込み先
■ 郵便振替
口座番号:00870-7-216543
もしくは ゆうちょ銀行 〇八九(ゼロハチキュウ)店 当座 0216543
加入者名:日本の表現の自由を伝える会
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日隅一雄・情報流通促進賞2023奨励賞受賞・藤田早苗スピーチ
日隅一雄・情報流通促進賞について
表現の自由、情報公開、国民主権の促進に生涯を捧げた日隅一雄さ
いう弁護士がおられました。2012年に惜しまれつつも亡くなら
彼の理念を基に日隅一雄・情報流通促進基金が設立され、公正な情
流通の促進をし、真の国民主権の実現に貢献している個人や団体を
支援を行うことを目的として「日隅一雄・情報流通促進賞」が設立
されました。
今年の11回目を迎える名誉ある日隅一雄・情報流通促進賞の受賞
先日発表され、私も「武器としての国際人権 日本の貧困・報道・差別」
執筆を含む国際人権活動を評価していただき、奨励賞をいただきま
こちらに受賞された方の作品や活動は紹介されています。
https://www.hizumikikin.net/20
授賞式は東京で6月10日に行われました。残念ながら私は会場に
行けなかったのですが、ZOOM参加でスピーチして、これまでの
先日3回目の訪問をしたアウシュビッツとのかかわりで国際人権の
起源などについて短くお話ししました。
記念撮影には左端の海渡弁護士のパソコンの画面に映っています。
下にスピーチを日本語でご紹介します。
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2023日隅一雄・情報流通促進賞奨励賞 藤田早苗受賞スピーチ
今回、推薦してくださった愛知の会と日隅基金の事務局のみなさま
ありがとうございました。
このような賞を受けるのは私の人生で初めてのことで、会場で式に
参加できずとても残念なのですが、受賞者の一人に加えていただき
大変光栄です。
私は20年ほど前にイギリスのエセックス大学の国際人権法コース
学ぶために留学しました。その頃、私は日本は民主国家で大丈夫な
と思っており、人権問題とはほかのもっと大変な国のことだ、と思
いたのです。
しかし、2013年の9月にまさに私が今いるこの部屋でFace
日本政府が国際人権基準を逸脱した特定秘密保護法なるものを、
民主的な過程を全く経ずに作成していると知って、驚愕しました。
当時の私は日本の人とのつながりがほとんどなかったのですが、
私にできることは国際世論に訴えることだ、と思い、友人と法案を
英訳して国連特別報告者に情報提供したところ、強い懸念表明と勧
出されました。
それが、私の日本に関する国際人権活動の始まりでした。
その後も様々な問題を国連人権機関や国際社会に伝えてきましたが
日本は豊かな民主国家だから問題がないと思われて、理解されない
ありました。それはまるで、家の中でDVや虐待が起きていても、
問題のない平和な家庭に見えているので、問題が周りの人に認知さ
いないような感じで、葛藤を感じてきました。
だからこそ、ジュネーブの国連人権機関に何度も足を運んできたの
ジュネーブの物価は日本の約3倍もします。だから、ジュネーブに
前は毎回イギリスで食料を調達し、ゆでたブロッコリーなどを持参
国連に行ってます。今月もまた行く予定です。
愛知の会がカンパを呼びかけてくれて、それに応えてたくさんの方
少しずつポケットマネーを寄付して支えてきてくださいました。こ
活動はそういう方たちと一緒にやってきたのだ、と思っています。
2016年4月には海渡弁護士たちと協力して表現の自由の特別報
デビッドケイ氏の日本調査訪問が実現しました。が、その期間中ず
政府から監視を受けていたことが後でわかりました。
このように、どこの国でも人権活動はリスクを負います。そいうい
ことに対しても、恩師の助言や日本の家族の理解があることを
ありがたく思います。
実は、私は昨日まで4日ほどポーランドにいました。。アウシュビ
訪問するためです。私にとっては3回目のアウシュビッツ訪問でし
今回は日本からエセックス大学に留学している大学院生二人も
一緒でした。そして、「これが、私たちがやっている国際人権の
原点だよね」という話をしました。
日本では人権と思いやりが混同されていますが、両者は別ものです
人は自分の仲間には思いやりを持ち、親切にすることはさほど難し
ことではないでしょう。
でも、自分と異質な人たち、好きになれない、偏見をもつ相手には
違う態度で接したり、差別的な扱いをする傾向があるのではない
でしょうか。それが、特定の民族集団への人種差別政策、迫害へと
なった、その究極のものがナチスによるホロコーストでした。
そして、だれもあの大規模人権侵害をとめることはできませんでし
当時の世界では、いかなる人権問題もその国の国内事情とされてい
他国は干渉しないことになっていました。もちろん、今のような
国際人権機関もありませんでした。その結果、600万もの人が犠
なった、あの大規模人権侵害を食い止めることができなかったので
その大きな反省に基づき、第2次大戦後、今の国連を作るときに、
国際社会は「一国の人権問題は国際関心事項だ」と決めました。
だから、日本の問題も国際関心事です。これは「人権の国際化」と
言われています。
そして、1948年に世界人権宣言が採択され、国連人権機関も作
いき、複数の人権条約も一つ一つ作られて行きました。それらは、
過去から現在に至る、世界中で人権侵害をうけ、またそのために
闘ってきた、無数の人の悲しみや絶望、怒り、そして希望の結晶で
人類の英知の集まりともいえます。
そして、国際人権条約や人権機関は決して遠い世界のものではなく
私たち日本の問題にも直結しています。例えば、関西生コン事件に
ついてはすでに国連の人権専門家に情報提供されていますが、今日
受賞された方が関わっておられる問題にも国際人権が活用できるは
そういうことをもっと知ってもらうためにも、私は、今日会場に
来てくれているお二人の編集者の多大な助けを得て、昨年12月に
『武器としての国際人権』の出版に至りました。
普遍的な人権意識がもっと社会に根付き、国際人権が多くの人に
とって身近なものとなり、もっと活用されていくなら、日本は必ず
変わると思います。
今日、私が賞をいただいたことが、またいろんな人にとって、
国際人権に関心を向けるきっかけになることを希望して、受賞の
挨拶とさせていただきます。
ご清聴ありがとうございました
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