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生産者を訪ねる旅

生産者を訪ねる旅 振り返り ネパールのNGO団体『マハグティ』2003/8/17 No.98 風のたより98号

2003/8/17 No.98 風のたより98号

■ ネパールのフェア・トレード生産者を訪ねて…

今回8月6日夜中関西空港出発~16日早朝帰国、10日間ネパールに滞在して、日本 のフェア・トレード団体『ネパリ・バザーロ』の生産者団体の人々に出会うことが 出来ました。 『ネパリ・バザーロ』は、1992年から母体となるNGOベルダレルネーヨ(ネパール の女性の自立と子どもの育成支援の会)のフェア・トレード部門として活動してい ます。風”sはその4年後1996年にオープンしました。

『ネパリ・バザーロ』のパンフレットは、始め手書きのものでした。段々に発展し て今はVol.8でA4サイズ51ページに成長、ネパール一国に絞り丁寧にフェア・ト レードの糸を紡いでいる団体です。今回の旅行でそのことを確かめることができま した。手・間・暇かけての製品、手・間・暇かけての商品開発と継続。小さな団体 を一つ一つ育てて行く、「ゆっくりでしかできない仕事」であるフェア・トレード の現実に触れることができました。

■ パンフレットの奥の世界が見えました!

以前から見慣れたパンフレットが、今回の旅行の後で見てみると奥行きと広がり、 整然としているとは言えない現場ではあるけれど、周りの緑ある風景、心のつなが り、出会いの嬉しさ、こんなにも幸せな気持ちになるとは思っていなかった。嬉し いのです。この人、私と会った人、この工場は私が見た現場。

一つ一つの商品につ いてお客様に語ることが出来る。そして仕事を待っている人につながって行く手応 えを感じることが出来る予感が嬉しい。 はじめにネパールでもっとも古いNGO団体『マハグティ』の事務所を訪ね、ス タッフの案内で「トゥルシ・メハール・アシュラム」に車で出かけた。若き日をマ ハトマ・ガンジーと共に過ごしたネパール人、トゥルシ・メハール氏が最低辺の女 性とその子ども立ちの避難所として開いた所です。

■ 訪問1日目 アイピローはここで作られていた…

『ネパリ・バザーロ』の人気アイテム! 「洋服を作ったあとなどの端切れで何か作 れないか?」ということで生まれたタマとポチと名付けられたアイピローは、中に 亜麻の実100%。だから沈静作用などの作用で目の上に置くと「らく~」になる し、ちょっと置いているだけで愛らしい。すぐ仲良しになりそうな縫いぐるみで す。

プレゼントにも大人気。プレゼントする機会毎に買いに来て下さるお客様も老 若男女問いません。 この人気商品が作られているところに行く! と聞いてわくわくしました。 赤煉瓦造りの中庭を囲み建てられた2階建ての建物の各部屋では、ミシンで縫った り、織ったり、型染めをしていたりしていました。 窓から見える景色は、緑・緑・緑の部屋のなかでミシン3台、奥の裁断机での作業 の他、首のところなどの手での縫いつけ作業もしていました。「顔の表情のところ が難しい」と言っていました。

■ 常に頭を回転させ…よりよい商品作りと商品開発

『ネパリ・バザーロ』の担当者は品物を手に、注意事項など伝達していました。 現地の生産者&フェア・トレード団体~日本のフェア・トレード団体~風”sなどの 日本の小売店へと手渡された商品は、時にお客さまよりクレームを頂きます。

それ を日本のフェア・トレード団体通じて現地の生産者に伝え、よりよい商品を育てて ゆきます。『ネパリ・バザーロ』代表土屋春代さんは、年に4~5回現地を訪れて は、しっかりコミュニケーションを取りながら商品開発という仕事もこなします。

■ 1927年に生まれた『マハグティ』はガンジーの思想のもと

… 創設者トゥルシ・メハール氏自身貧しい生活をしていた人で、少年時代から貧しい 人たちへの優しい目と、社会の悪に反対する心を持っていた人だそうです。

以下「マハグティ」の紹介は「VERDA Vol.6」より 1972年に、夫に捨てられ生活手段を無くした女性や寡婦など、最底辺の 女性と子ども立ちの避難所として「トゥルシ・メハール・アシュラム」 を開きました。

そこでは技術を身につけ仕事を持つことが他者の支配か ら逃れ、自立する道であるというガンジーの思想のもと、機械や糸紡ぎ の技術指導が行われており、その販路開拓と「アシュラム」の資金づく りを目指して、1984年、マーケティングのNGO「マハグティ」を誕生さ せました。

「マハグティ」は市場を見つけることができず厳しい生活を強いられて いた遠隔地の生産者の調査も進め、地方の伝統技術を応用しダカ織り、 アローなどの製品をいち早く開発、商品化した功績は多大なものがあり ます。「マハグティ」では、アシュラムや他の訓練所で技術を習得した 女性たち30人が織り、染め、縫製などに分かれてきびきびと楽しそうに 仕事をしています。

■ 食堂・寮・学校・医療施設など…

中庭を囲んで建てられた仕事場の赤レンガの2階建て建物の他に、食堂があり、医 療の建物、寮、小さな子たちの学校など設備が整っています。

とはいえ私自身から 見たら、ベッドしかない自分の領域、「つらいな~」という実感ですが、現実は住 むところもままならぬ人にとってこの「アシュラム」は、衣食住が保証され、2年 間の職業訓練を受け、仕事の販路先に「マハグティ」があるという心強さマハト マ・ガンジーさんの精神が受け継がれたこの「アシュラム」が存在することは素晴 らしい。販路を担当している「マハグティ」から日本でもいくつかフェア・トレー ド団体が仕入れて販売しています。

■ 「マハグティ」に向かうタクシーでは歌う運転手

なんと陽気に歌うのです。はじめはタクシーブギとか歌って、通訳して下さった 『ネパリ・バザーロ』男性スタッフが聞いたところちょっと自分で作って歌ってい る所もありとか。 次なる曲はネパールでは大変ポピュラーな曲「レッソン・ピリリー」とかいう曲で 絹のすれる音という意味だそうです。

そのスタッフも知っていて以前訪れたところ で子どもたちが歌ってくれたそうなので、彼も運転手と一緒に歌っていた。 私は いい曲だな~、聞いたような~~とず~~っと気になっていたら、翌日ふと思い出 した! そうだ! 中根麻衣さんの「愛はどこに」と同じ曲だと思い出した。

今年の3月に麻衣さんのとっても素敵なコンサートを聴き、そのことは風のたより 87号でお伝えしましたね。このことはすっきり、そして嬉しくてしかたない出来 事でした。 今回で同行したGAIAの会のメンバーさちこさん(実はネパールの人にネパールの名 前を付けてもらいました。プルマヤさんと)も麻衣さんのコンサートは一緒だった ので、思い出した後は互いに大喜び、彼女はネパールでCDも買いました!

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