稲武地区イベント報告// おいでん山村センターのFBより
2022年6月26日(日)稲武交流館にて”子どもたちの未来を大切に思う大人たちへ”と題し、映画『食の安全を守る人々』上映会と、新城市の福津農園代表の松澤政満氏の講演会が開催されました。
映画では国内外の食に関する活動をしている人たちのレポートを通じ、普段当たり前のように口にする食べ物の背景を知ることができました。また、お隣の国韓国ではオーガニック給食を取り入れていることや、国内でも千葉県いすみ市などの実践例などを見ることができました。
松澤さんはご講演で、「虫・微生物・草などと、共存・共生・循環をし、持続可能な農業を実践している。食の安全は原則だ。」と話され、「農園の中でも自然の調節力を実感する。コロナウィルスは地球の調節力のひとつかもしれない。コロナ禍を機に、自然との共生など暮らし方を考えるべき時なのでは」との投げかけました。
コロナ禍で家庭菜園など農的なくらしをされる人が増えている中で、松澤さんの「百姓は自分の農園の唯一のデザイナー。農を楽しんでデザインしていって欲しい」という言葉が、土と向き合う気持ちを新たにした人も多かったのではないでしょうか。
最後に、三重県の私立愛農学園農業高等学校より参加された先生と生徒が、農を中心に据えた学校生活についてお話くださいました。「居場所を探して入学してくる生徒もいるが、全寮制で動物の命をいただき、栽培した農作物を食べること、分かち合うことを学び、農業人になりたいと志して卒業していく」「卒業生と在校生との繋がりが、持続可能な農業を広げていっている」「有機栽培を教える人材育成が重要」という言葉に、子育て世代の参加者は関心を寄せている様子でした。
主宰は「風の庭くらぶ」。この日は大人68名、お子さんも20名あまりの参加があり、会場には大人用のスクリーンとお子さん連れの方向けのスクリーンが用意され、フラットな会場で大人数でも字幕までよく見えるようにと、座布団席、低い座席、椅子席、椅子+座布団席など至る所にボランティアスタッフによる設営の工夫がなされた会場で、幅広い年齢層の観客が集いました。おいでん・さんそんセンターも広報や機材貸出などでお手伝いさせていただきました。
食の今を学び、実践者に学び、これから希望を育てて行く学校の話に学ぶ。身近な食から自分達や地域の暮らしを考える充実した会に、参加者アンケートでも「またこういった会を開催してほしい」という声が多く聞かれました。
課題を感じた人たちが、少しずつ力を持ち寄って、沢山の人と課題を共有できる場づくりをする。稲武地区の自治力を感じる時間でした。