映画「メイド・イン・バングラデシュ」試写会に参加。
http://pan-dora.co.jp/bangladesh/
予告編 ↓
以前バングラデシュ縫製工場関係の映画は2本(後記参照)見ました。
フェアトレード関係で現場の話も見たり聞いたりしていました。
今回の映画は、
女性監督そして主演女性の実話95%、より現場を知る映画と思います。住まい、食事の用意する場面、職場でくさい匂いのするようなランチを食べる場面、町を歩くと道路で蚊帳のような網を張って寝ている人もいた。
実際、フェアトレード団体とバングラデシュへ生産者を訪ねて行ったときも同じ光景がありました。夜の駅での駐車場。母親と子供2~3人地面に寝ていた。蚊帳のようなものはない。母親は子供たちに虫が来ないように手であおっていた。
もう一つの違った視点はジェンダー視点
(解説資料より監督の言葉)「女性は抵抗すればするほど、闘えば闘うほど何かを達成できると学びます。我々より前の世代は女性の教育や参政権を求めて闘いました。そのおかげで今日があります」 まさに! 最近読み終えた「らんたん」明治から昭和の戦後までの女性たちの活動を垣間見る、知る貴重な本でした。
労働環境は
「1日10時間以上週6日働き、稼ぎはよくて1か月100ユーロで主人公も家賃を払ったら残らない状況。仕事はきつく背中と肩を痛めるから年配の女性はいない。それでも、それでも、以前のバングラデシュでは、女性たちは働くことさえできず、世間から隔離された生活を送らねばならなかった。現在稼ぎが少なくても、労働環境が悪くても、家では家長との戦いが待っていても、彼女たちがエンパワーされている。」
これで連想したのは、『「あゝ野麦峠~ある製糸工女哀史」山本茂実著 』で私にとっての新しい発見あり。繭をゆでるために湯気の立つ工場の中で着物は濡れる、外へでれば冬は極寒、業績を競わされるなどたしかに過酷な労働環境。でも 仲間がいたし、家にいて働くより工場のほうがいいという。それほどまでに家での女性たちの労働は貧困という背景もあり過酷だったことを知る。家にお金を持ち帰ることができれば彼女らの家における地位も違ってくる。経済的な自立への一歩は大きい。それはフェアトレードで女性たちに仕事づくりをすることに通じる。
絹糸の生産・輸出で明治の日本貿易を支え、日本の産業を急速に発展させた若き女工さんたち。一方 縫製工場で1日1650枚作っているTシャツ2~3枚の売値が彼女たちの月収というなかでバングラデシュの急速な経済成長を支えた若き女性たち。
今、安くていいものを手にいれるということが当たり前と思っている消費者に、誰かを犠牲の上になりたっている世界をこの映画で目を耳を向けてほしい。
映画はわかりやすい。座っていれば目と耳から知ることができる。そしてどんな消費行動をするかは、地球の人権や環境問題にかかわってくる。周りまわって身に、また次世代にふりかかってくる。
:::::::::::以前のバングラデシュ映画:::::::::::::::
「ザ・トゥルーコスト」は、アメリカ人が4月23日のルナ・プラザで起きたビル崩壊を機にクラウドファンディングで作った映画で、フェアトレード団体ピープル・ツリーの創始者サフィア・ミニーさんも映画で登場。フェアトレードはこの事故と対極にある衣料品を送りだしている。
ビル崩壊事故以前に作られた、低賃金と厳しい労働環境下で働く若き女工たちの映画は「バングラデシュの衣料工場で働く若き女工たち」はバングラデシュの男性監督 社会派のタンビル・モカメル監督
2013年4月24日 バングラデシュの首都ダッカ北西の都市シャバールで起きたラナ・プラザのビル崩壊事故。死者1127人、負傷者2500人以上を出した。4台の大型発動機と数千台のミシンの振動が相まって崩壊を誘発。
このバングラデシュが世界の縫製工場の役割を世界に知らしめた。
それ以前には、ピープルツリーの創始者サフィア・ミニーがバングラデシュへ行って衣料工場で働く人々の暮らしぶりなど写真でみせてもらった。竹で仕組まれ下が見えるような廊下は、これも竹で組まれた2メートルくらいの高さにあるそんな住まい。100人くらいに住まいでもトイレが数個・ガスレンジのようなものも数個。
私自身、バングラデシュへ生産者を訪ねるツアーで見た光景は、夜10時頃の駅の駐車場近くの地面に母親と子どもが2人寝ていた。母親は子供らの虫をよけるように手をあおいでいた。