OKシードプロジェクト・ニュースレターをお届けします。
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このニュースレターの内容
- 学習会報告「木更津市のオーガニックなまちづくり条例による学校給食の有機化」
- ゲノム編集をめぐる近況
- ゲノム編集されたトマトの苗を障がい者福祉施設や小学校に配らないで、署名、もうすぐ7000筆!
- 学習会情報
学習会報告「木更津市のオーガニックなまちづくり条例による学校給食の有機化」
2021年11月16日開催
ゲノム編集食品の対極にあるのは、有機の食品です。地産地消で、地元の有機のお米や野菜を学校給食に取り入れよう、そういう動きが活発になってきました。千葉県木更津市(人口13万人)でも、学校給食のお米の有機化に取り組み始めたところです。
木更津市は、2016年、「木更津市人と自然が調和した持続可能なまちづくりの推進に関する条例」(通称:オーガニックなまちづくり条例)を制定しました。基本的なコンセプトは、「まちづくり」にあり、その中心的な取組みが、学校給食の有機化(まずはお米を地元産の有機米に切り替えていく)です。
学習会では、「オーガニックなまちづくり」プロジェクトで、生産者、有機稲作の指導者(稲葉光國さん)、農協、学校給食会などをつなぎ、1年目に全市30の小中学校に3日間の供給、2年目、そして今年3年目で年間48日間の供給に向けて活躍されている市職員の野村洋貴さんに取組みの実際について伺いました。
講演と質疑を通して、まちづくりのビジョンにオーガニックを掲げ、自然豊かなまちをつくっていくというビジョンを共有、的確な有機稲作指導と機材などの支援、学校給食という安定した公共調達で生産が持続するように支え、価格についても今の低迷する米価に比べると高値(2万円/60㎏当たり)に据えることで、安定的な有機米の供給体制をつくりだしています。
学校給食という公共調達で有機米を増やしていくことを、他の自治体でもすすめましょう。
学習会の動画はOKシードプロジェクト・サポーター限定で12月15日まで以下のURLで見ることができます。ぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=h7r5rbvyW8s
ゲノム編集をめぐる近況
ゲノム編集食品をめぐる動きはさらに加速しています。昨年12月11日にサナテックシード株式会社がゲノム編集されたトマト「シシリアンルージュ ハイギャバ」を政府に届け出して、日本での第1号になりましたが、今年9月17日にはリージョナルフィッシュ株式会社によってマダイが、10月29日にはトラフグが届け出され、日本で3つの「ゲノム編集」生物が食品として流通可能となってしまいました。世界でゲノム編集の魚の流通が可能となっているのは日本だけです。
米国ではカリックス社(Calyxt)がゲノム編集大豆を手掛けましたが、その後、同社の株価は大幅に下落、英国もEU離脱(Brexit)の後、ゲノム編集食品推進を宣言しましたが、同国のスコットランドやウェールズは同調せず、市民の88%はゲノム編集規制緩和反対のパブリックコメントを出し、それを受けて、農民組合も慎重な姿勢に変わりました。
科学雑誌Natureにゲノム編集によって染色体破砕が引き起こされる研究結果が掲載され、ゲノム編集セラピーを行う企業の株価が急落するなど、ゲノム編集の医療への適用には大きな難問にぶつかっています。同じ問題はマダイやトラフグにも起きている可能性があります。しかし、日本ではそのような報道もまったく行われておりません。今月からゲノム編集小麦の開放圃場での栽培実験も始まります。
来年、通常国会ではみどりの食料システム戦略に関する法案も提案される見込みです。みどりの食料システム戦略がどんな方向を目指すのか、今後の日本の食に大きな影響を与えることでしょう。一方で有機農業の拡大をめざすとしながら、片方ではゲノム編集による品種改良を進めるとあり、しっかりとした科学的な根拠に基づく政策論争が必要となっています。
OKシードプロジェクトでは、そのために必要な情報発信に向け、学習会開催の他、ガイドブックの発行準備も進めております。ぜひご注目ください。
また、OKシードプロジェクトを拡げるためのグッズも準備中です。準備でき次第、頒布開始しますので、ぜひご期待ください。
小学校や障がい児介護福祉施設にゲノム編集トマトの苗を配らないで! オンライン署名
ゲノム編集トマト「シシリアンルージュ ハイギャバ」を作ったサナテックシード株式会社とその販売を担当するパイオニアエコサイエンス株式会社は、来年から障がい者福祉施設に、2023年からは小学校に無償配布する計画を発表しました。
安全の確認できていないものを障がい者や子どもたちに配布するということはおかしい、ということで緊急のオンライン署名をOKシードプロジェクトでは開始しました。すでにその署名は7000筆に近づいております。
この署名は年内に両社へ届け、そして障がい者福祉施設を管轄する行政機関にも届ける予定にしております(小学校はまだ時間がありますので、提出はもう少し先にする予定です)。
国会でも、社会でも十分にゲノム編集食品が持つ問題について、議論がなされていない現状で、子どもたちに苗を配り、なかば半強制的に関わらせるというやり方には大きな問題を感じます。ぜひ、この署名を拡げていただければ幸いです。
署名は
https://okseed.jp/act/
署名に関する説明のページは
https://okseed.jp/news/entry-94.html
にあります。ぜひよろしくお願いいたします。
学習会情報
ゲノム編集って何? 心配だけれど、基本的なことがよくわからないという方はおられると思います。そのような方たちを対象に、ゲノム編集の問題点と、OKシードマークで何ができるのかを説明する会を下記の日程で開催いたします。
参加は無料です。
日時:11月29日 午後8時〜9時半
Zoomによるオンライン会議方式
ご参加希望の方は以下からお申し込みください。
https://okseed.jp/eventapply/
また、日本で長く遺伝子組み換え問題について取り組み、OKシードプロジェクト関係者も参加している日本消費者連盟・遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン主催の学習会がありますので、紹介させていただきます。
オンライン連続講座「今だから知ってほしい 遺伝子組み換え・ゲノム編集食品の真実」
第1回 2021年12月17日(金) 午後2時~4時 講師 天笠啓祐さん
「バイオテクノロジーと遺伝子操作技術のいま」
第2回 2022年1月21日(金) 午後2時~4時 講師 原英二さん
「遺伝子操作食品の表示 食品表示制度の変更でどうなる?」
第3回 2022年2月18日(金) 午後2時~4時 講師・天笠啓祐さん、原英二さん
「ゲノム操作食品の開発状況 次に狙われるのは?」
参加費各回500円
詳しくは https://www.gmo-iranai.org/?p=3678
をご覧ください。お問い合わせは主催する日本消費者連盟にお願いいたします。
また、日本消費者連盟と遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン、食と農から生物多様性を考える市民ネットワークなどが展開している「種苗への遺伝子操作の表示を求める署名」の第2次〆切りが11月末に迫っています。
第1次集約(7/30に提出)では6万2,766筆の署名が集まりました。第2次集約については、来年の通常国会開催時に提出集会を開催して関係省庁へと提出する予定です。署名にぜひご協力ください。
日本消費者連盟オンライン署名
https://onl.tw/wQFu2GN