ゆっころんです。
DVD「沖縄スパイ戦史」http://www.spy-senshi.com/
を、ここ野入の「風の庭」で開催の
スローシネマカフェでみました。
10代半ばの少年達がゲリラ兵になったつい最近の歴史にあります。
以下転送します。
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緊急声明事務局の海渡雄一弁護士がフェイスブックに書いた投稿を共有します。
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密告を住民に強いる土地規制法案 沖縄スパイ戦の悲劇に学ぶ
海渡雄一(緊急声明事務局/秘密保護法対策弁護団・共謀罪対策弁護団)
1944年に「陸軍中野学校」出身者42人が沖縄に渡って、少年を中心としたゲリラ部隊「
護郷隊」を組織します。住民を西表島に移住させて多くの人を戦争マラリアに感染させ
ます。「捕まったらスパイになる怖れがある」と日本軍が住民を虐殺するという悲劇が
起きます。沖縄戦では、このように、軍や民間人を追い込んでいくシステムができてし
まっていたのです。
その中で、住民自らが、疑わしい人を密告し、加害者にもならざるを得なかった、それ
が沖縄戦の現場で起きていたことなのです。
重要土地規制法案8条は「重要施設」周辺や国境離島の土地・建物の所有者や利用者の
利用状況を調査するために、「利用者その他の関係者」に情報提供を義務付けています
。「関係者」は従わなければ処罰されますので、自らに関する情報を無理やり提供させ
られるだけでなく基地や原発の監視活動や抗議活動をする隣人・知人や活動協力者の個
人情報を提供せざるを得なくなります。これは地域や市民活動を分断するものであり、
市民活動の著しい萎縮に繋がります。そして、最後は、住民同士が密告し合い、多くの
犠牲者を産み出す危険性があります。
このような法案は、憲法19条と自由権規約18条が
絶対的なものとして保障している思想・良心の自由を侵害するものです。また、市民の
団結を阻害するという意味において、集会結社の自由(憲法21条、自由権規約21条
・22条)に対する侵害のおそれもあります。
15年戦争に敗北し、ポツダム宣言を受け容れた日本は、1945年10月4日、特高警察を解体
し、治安維持法だけでなく軍機保護法、国防保安法、要塞地帯法を廃止しました。そし
て私たちは、日本国憲法によって、軍隊を持たないことを宣言し戦争を放棄しました。
安倍政権は2013年に国家安全保障会議設置法と特定秘密保護法を制定し、軍機保護法、
国防保安法と同様の法体制を復活しました。そして、いま菅政権は、重要土地規制法案
を制定し、要塞地帯法を復活させようとしています。復活した大本営=国家安全保障会
議を取り仕切っているのは、公安警察出身の北村滋氏です。
そして、今回は、基地だけでなく、原発や他の生活インフラ施設の周辺も対象にでき、
日本中を監視できるシステムを作る稀代の悪法を作ろうとしています。
われわれは、日本国憲法を制定し、沖縄スパイ戦のような状況や構造を二度と作らない
ようにすることを誓ったはずでした。他方で、戦後、日本は、長く沖縄を米軍の統治下
におくことを容認し、本土復帰後も基地の多くを沖縄に押し付けて犠牲にしてきました
。安倍・菅政権は、辺野古基地建設に反対するオール沖縄の声を圧殺し続け、76年前の
スパイ戦と同じ道を歩もうとしているのではないでしょうか。
政府は、重要土地規制法案について、14日参考人、15日には内閣委員会での採決を狙っ
ています。この暴走を止められるかどうかは、市民の世論がどこまで盛り上がるかにか
かっています。まだ、チャンスはあります。沖縄戦の死者の魂を現代によみがえらせ、
このような沖縄戦の悲劇を未来に繰り返してはならないという声を、日本中に押しひろ
げ、重要土地規制法案を廃案に追い込みましょう。
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反対緊急声明事務局担当
谷山博史(NCFOJ) taniyama@ngo-jvc.net
近藤ゆり子(NCFOJ) k-yuriko@octn.jp
杉原浩司(NAJAT) kojis@agate.plala.or.jp
※「重要土地調査規制法案」反対緊急声明事務局ブログ
緊急声明本文、賛同団体名、院内集会動画、緊急アクションの呼びかけなどはこちらか
らご覧になれます。
http://juyotochi-haian.org/
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以下 追記 2021年6月14日NHKニュースより
立民・共産 土地利用法案めぐり参院内閣委員長解任決議案提出
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210614/k10013084941000.html
日弁連「重大な問題がある」
今回の法案について、日弁連=日本弁護士連合会は今月2日、会長名で反対する声明を発表し、「重大な問題がある」として5つの点を挙げています。
1点目は、「重要施設」についてです。
声明では「『重要施設』の中には、自衛隊などの施設以外に生活関連施設が含まれているがその指定は、政令に委ねられている。しかも、生活関連施設として指定されるためには、『機能を阻害する行為が行われた場合に国民の生命、身体または財産に重大な被害が生じるおそれがあると認められる』ことが必要とされているが、この要件自体があいまいであり、恣意的な解釈による広範な指定がなされるおそれがある」と指摘しています。
2点目は、「土地の利用者などの情報」についてです。
声明では、「地方公共団体の長などに対し、注視区域内の土地などの利用関者などにする情報の提供を求めることができるとされているが、その範囲も政令に委ねられている」としたうえで、「思想・良心や表現行為に関わる情報も含めて広範な個人情報を、本人の知らないうちに取得することが可能となり、思想・良心の自由、表現の自由、プライバシー権などを侵害する危険性がある」と指摘しています。
さらに、3点目として、法案が、注視区域内の土地などの利用者などに対して、「利用に関する報告、または資料の提出を求めることができ、それを拒否した場合には、罰金を科すことができる」としていることについて、「求められる報告、または資料に関して何の制限もないことから、思想・良心を探知されるおそれのある事項も含まれ得る。このような事項に関して、刑罰の威嚇のもとに報告または資料提出義務を課すことは、思想・良心の自由、表現の自由、プライバシー権などを侵害する危険性がある」としています。
4点目では、「土地の利用制限」について触れています。
具体的には「法案では、注視区域内の土地などの利用者が、みずからの土地などを、重要施設などの『機能を阻害する行為』に供するまたは、供する明らかなおそれがあると認める時に、刑罰の威嚇のもと、勧告や命令により当該土地などの利用を制限することができるとされている。しかし、『機能を阻害する行為』や『供する明らかなおそれ』というようなあいまいな要件のもとで利用を制限することは、注視区域内の土地などの利用者の財産権を侵害する危険性がある」と指摘しています。
そして、5点目として、「特別注視区域内の一定面積以上の土地などの売買などの契約について、内閣総理大臣への届出を義務づけ、違反には刑罰を科すものとされているが、これも過度の規制による財産権の侵害につながるおそれがある」としています。
そのうえで声明は、「法案は、思想・良心の自由、表現の自由、プライバシー権、財産権などの人権を侵害し、個人の尊厳を脅かす危険性を有するとともに、あいまいな要件のもとで、刑罰を科すことから罪刑法定主義に反するおそれがあるものである」としたうえで、「自衛隊や米軍基地などの周辺の土地を外国資本が取得してその機能を阻害することなどの防止を目的とするとされているが、これまで、そのような土地取得などにより重要施設の機能が阻害された事実がないことは政府も認めており、そもそも立法事実の存在について疑問がある」と指摘しています。