2016年6月に正文館書店に移転してから毎月1回「ふ~ず新聞」を発行しています。
1996年にフェアトレード・ショップを初めてから月1回「風のたより」を発行してきました。
初めは封書で送っていました。夜中に北郵便局まで持っていったことを思い出します。たぶん数百枚送っていたと思う。
裏紙を整理していて93号を読みました。今も通じる13年前のたより、辻信一さんの講演を東京で聞いた時の記録です。もう一度是非読んで欲しい。そして何も変わっていない現在、再度
二つのタイムフレーム (1)産業経済時間と(2)自然の時間を考えてみたい。
アフリカの樹の上から降りてきて、旧石器時代の人々が歩いてべーリング陸橋を渡り北米大陸に永住の地をみつけるまでの出来事が緻密に描写され、一万年という当方もない前の人々暮らしが想像できる。常に納得のいくまで話あい、数々の学びを歌いつぎながら暮らす人々がいて、今の命が受け継がれている「時間」を考えるのには、おすすめの本です。単行本でもでています。風”sにも置く予定です。
風のたより93号 http://www.huzu.sakura.ne.jp/b_pdf/2003/tayori_93.pdf
1998年に屋久島に行った時、翻訳の星川さんの奥さんから紹介され購入、半分くらい読んで閉じて18年、最近再開、読み終えたあと、又初めから読みはじめて一通り読み終えた。本は繰り返し読める。いいです!!学ぶことがいっぱいの本です。
初め読んでとても心に残ったのが訳者星川淳さんのあとがき
「残さない文化」
先住民のアメリカの旅で目を開かされたことの一つは”残さない文化”の価値だった。われわれはこれまで、ピラミッドやタージマハールや法隆寺といった壮大華麗な遺産ばかりに目を奪われ、足跡さえ残さず生き続けた民族や文化を無視・軽視・蔑視する傾向があった。しかし世界各地には、何千年・何万年に渡ってほとんど手つかずの自然環境を残すことを心に砕いてきた人びとがいる。そのかわり彼らが誇るのは、そうした意図的選択のもとに生命ある地球と末永く共存していく知恵であり、理解であり、学びなのだ。本書の一族と〈太陽の民〉との葛藤にはそれがみごとに要約されている。その意味で〈歩く民〉の物語は”残さない文化”のもっtも洗練された遺産の一つといえるかもしれない。
そして「日本国憲法」とつづく
しかも、この遺産は思わぬ形でわれわれと直結していた。かって〈歩く民〉が、日本列島の縄文人と隣どうしだったというだけではない。彼らの遠い子孫につながるイロコイ連邦は、アメリカ合衆国の独立と建国、そして合衆国憲法制定に多大な影響をおよぼし、それらを通じて一八世紀以降の民主化に計り知れない貢献をしてきたからだ。「アメリカの押しつけ」と嫌う(現在はそうではないとわかっている=土井)向きもある戦後の日本国憲法は、はからずもその理想に近く、じつは服(まつろ)わぬモンゴロイド自由民から手渡された未来へのバトンだったのである。これについては拙著『環太平洋インナーネット紀行」(NTT出版)第3章で掘り下げているので、是非併読いただきたい。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::またこの物語=本書が始まる、その物語は一人の女性の行動による。その話もとても興味深い、その人の名はツィリコマー(明るい春)。訳者の後書きには、彼女の行動の五世紀後、1993年ツィリコマーの子孫がたんねんに受け継いだ口承史が英語で出版された。その人は、ローラ・アンダーウッド(故人)、日本へ見えた時は東京まで講演に行ったことも思いだします。