スタディツアーとは、主に途上国でNGOが活動する現場を視察したり、ボランティア活動などを行う旅行のことで、 体験学習や現地の人々との相互理解を目的としています。 一般のツアーとの最も大きな違いは旅行の目的です。 一般のツアーは観光が主な目的ですが、スタディツアーは旅を通して「学ぶ」ことが目的です。
フェアトレードの団体は、スタディツアーを企画することで、生産者と消費者を結びつけお互いが交流することを促進、参加者は観光旅行では味わえない楽しさ、良さがあります。また生産者にとってもいい刺激になります。
店の品々の奥には生産者さん達の顔があります。その背景を知る事、伝える事ができるのが風”sの店のエネルギーの元です。
2019年2月 AWEP(アジア女性自立プロジェクト)*の「タイ・チェンライ・バーン・トーファン(夢を織る家)を訪ねる旅2019」のスタディツアーに2月4日~7日まで参加。AWEPのスタディツアー参加は3回目.
*アジア女性のエンパワメントに取り組む団体で、 エンパワメントとは、能力をつけていくこと、自己決定の選択肢を持つこと、そのための環境を獲得していくことを目的とし、海外事業では、フェアトレード等を通じた女性の自立を促進する活動、国内事業では日本に住む外国人女性の生活相談や情報提供を通じた生活支援他。
1日目=2月4日(月) 午前 チェンライ空港集合(現地集合)
チェンカムへ。BTF作業所でミーティング
2日目=2月5日(火) BTF作業所でミーティング
タイ山岳少数民族ヤオ族の村を訪問し交流(プレゼント交換)
BTF作業所メンバーと夕食(タイ・スキでした~)&交流会
3日目=2月6日(水)メースーワイへ。土の家(日干煉瓦で作った家)にチェックイン
染色家ノイさん訪問・村の機織りグループ 訪問。温泉へ。
4日目=2月7日(木) アカ族の村を訪問、コーヒー工場見学(現地解散)
今回尋ねたBTFで手にとった、手織り・草木染め・ヤオ族の手刺繍、見れば見るほどに欲しくなります。そこに関わった人たちの思いや、その製品に関わった時の経過などが伝わってくるのだと思います。
タイは経済成長が順調なようで、道路も整備されていて、今回の行程では貧しい~という家は見受けられず、車も殆ど日本車が走っていました。
とはいっても首都バンコクには首都バンコクにはスラムが約2,000ヶ所、200万人が暮らしています。
■バーン・トーファン(Baan Tho Fan)
バーン・トーファンは、家族が出稼ぎで離ればなれになることを防ぎ、村での農業を基盤とした暮らしを守るため、農閑期に伝統的刺繍を活かした製品を生産しています。
刺繍はタイ山岳民族の一つヤオ族のクロスステッチによる刺繍で、ヤオ族も出稼ぎにでなくても暮らしていけるよう、また刺繍の伝統の灯りが消えてしまわないように仕事づくりが必要で、バーン・トーファンの女性達と連携をとって手織り・草木染め・手刺繍の雑貨を作っています。
山岳民族のヤオ族は、出稼ぎにバンコクへ行っても差別をうけています。1日315バーツのところヤオ族出身は250バーツしかもらえない。子どもと離れて暮らさなくてもいいように刺繍の仕事などがもっとあればいいけれど、その刺繍も受け継がれていかない現状もある。世界中で織り・染め・刺繍など伝統・技術が失われて行く様子は寂しい。手間暇かける心の余裕、暮らしの余裕が失われていくということですね。
ヤオ族の家にて
2月5日は旧正月でヤオ族の村では、太鼓や笛をならして家々をまわり、お札のようなものを各自が持ち、前に後ろに立ったり座ったりお辞儀をして、最後はそのお札を燃やしました。
お札を燃やす
赤く色つけたゆで卵を紐で下げ首にかけてもらいました。行くところ出会う人から頂いたので8個くらい首から玉子がぶらさがりました。
人身売買の被害をなくす為の村での仕事作りも経済発展とともに、BTFでもメンバーが減り、製品の刺繍を担うヤオ族も刺繍を続ける人が減少しているという。人身売買の被害が減少したのであれば目的は達成したのであるが、なにか手仕事の伝統が失われていくという寂しい現状を見ることになりました。
ヤオ族の伝統刺繍
とはいえ、山から下りてきた山岳民族の生活は今も出稼ぎをしなければ暮らしていけない状況もあり、出稼ぎ先では給与など差別も受け苦しい状態であることは変わりない。
アカ族の人の話も伺いました。37年前にその方の祖父が移住。家族のために働いて外との交流はなく自給自足だったが、タイ社会の経済に巻き込まれ養っていくためには支出が増え、売るための作物をつくり始めた。
自給自足の生活は、味も素朴だったが、味の素がはいり、野菜や米も買ってくる、それらは農薬の心配もあり、村の健康状態はよくない。
山の木を切った耕作地に農薬をまくので雨期には流れてきて、奇形の魚も現れ、今では水も買っているという。
旅の途中で見晴らしいのいいところで休憩したが、確かに木が切られ耕作地になっている山々の風景が広がっていた。
一方そのあと訪れた「ドイチャンコーヒー」はフェアトレードを超えたフェアトレードを唱える、カナダの事業家たちによるコーヒー工場があった。
フェアトレードのマークもあり
シェイド・グロウンといって木陰で作るコーヒー、つまり森の中で作られる。ドイチャンコーヒーの農家は1000本以上の植林をしているという。フェアトレードの認証マークの他7つのマークが工場の壁に大きく表示されていた。
ドイチャンコーヒー
アカ族やカレン族の人々がこの会社の理念『貧困のサイクルをなくす・教育と健康管理を促進する・文化的アイデンティティと誇りを奨励する・平等を保障する・経済的持続可能性を達成する他』のもと今の時代にあった暮らし方が始まっている、フェアトレードの理念がタイ北部の地で始まっていることを知り嬉しかった。
■「Beyond Fair Trade」
アヘン生産への依存から脱却し、子供たちのために安定した未来を築くためにカナダ人の著名なビジネスマンJohn Darchが起業家Wicha Promyongと出会った2006年彼らの会議の結果、フェアトレードを超えた平等なパートナーシップのビジネスベンチャー、Doi Chaang Coffee Companyが設立されました。フェアトレードを超えてこのユニークなパートナーシップの成長、その成功と課題、そしてその背後にある人々の物語が「Beyond Fair Trade」という書籍に書いてあるそうです。現在日本語訳はなし。
名古屋にもどって、思うことは、まず手仕事の大切さを知ってもらうためのワークショップ開催(ヤオ族の刺繍にチャレンジ)。私たちが失い、また大切な先住の民たちの文化が失われつつある手仕事、立ち止まって考える機会にしたいと思っています。
【3月企画のお知らせ】
■3月23日(土)AM10時半~タイ山岳民族ヤオ族の刺繍にTRYワークショップ開催
会費:800円(コースターつくります)
■3月24日(日)AM10時半~タイスタディツアー報告会(無料)
同時開催:3月21日~27日まで「アジアの布展&タイ山岳民族の手仕事展示と販売」
BTFの草木染め・手織り・ヤオ族の手刺繍のポーチ・バッグなど販売します。
60歳のヤオ族のお母さん9人子ども有り
一年がかりのヤオ族刺繍の作品
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ゆっころんの、いままで訪れた国ちょっと整理してみました。10ヶ国以上
1=1996年3月インド(ピープルツリー)
2=1997年12月 バングラデシュ(シャプラニール)
3=2001年12月 ペルー(第三世界ショップ)
4=2003年8月 ネパール(ネパリバザーロ)
5= ペルー(FTショップの人と二人で)
6=2007年 メキシコ・トセパン組合(ウィンドファーム)
7=2008年5月 ピースボートで世界一周(北周り)フェアトレードが特に関係なし
8=2010年 ラオス(SVA)
9=2012年2月 インドネシア(AWEP)
10=2012年4月 バングラデシュ(ピープルツリー)
11=2012年11月 ブータン(ナマケモノ倶楽部)
12=2013年9月 タンザニア・ルカニ村(京大 辻村英之)
13=2014年3月 ネパール(AWEP)
14=2014年7月 インドネシア・フローレス島(第三世界ショップ)
15=2015年11月 ピースボートで世界一周(南周り)マダガスカル・ナミビア・ウルグアイ(フェアトレード関係の国)
16=2017年3月 韓国のi-coopで土井ゆきこ講演・フェアトレード団体と交流
17=2019年2月 AWEP(アジア女性自立プロジェクト)*の「タイ・チェンライ・バーン・トーファン(夢を織る家)を訪ねる旅2019」のスタディツアーに2月4日~7日まで参加。AWEPのスタディツアー参加は3回目。
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■フェアトレード・ショップ風”s 正文館店(ふ~ず しょうぶんかんてん)
〒461-0015 名古屋市東区東片端町49 正文館書店本店2F
052-932-7373 T&F(月休み、12~18時営業)
HP : http://huzu.jp/
■名古屋をフェアトレード・タウンにしよう会(なふたうん)
HP: http://www.nagoya-fairtrade.net/
090-8566-2638 huzu■huzu.jp 【■は@) 土井ゆきこ
フェアトレード・ショップ風”s(ふ~ず)正文館店 土井ゆきこ