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2026年2月21日(土)第9回なごや国際オーガニック映画祭開催 於ウィルあいち(東区)

2010年になごや国際オーガニック映画祭実行委員会を立ち上げ今回で9回目

昨年は、いつもの会場のウィルあいちが1年近く休館のため、映画祭もお休み

今年は、講師に印鑰 智哉(いんやく ともや)さんをお招きでき充実した時間を得持つことができました。質疑応答ご参加者同士が話し合う時間も持ちました。

【プロフィール】
世界の食と農の問題を追う。アジア太平洋資料センター(PARC)、ブラジル社会経済分析研究所(IBASE)、Greenpeace、オルター・トレード・ジャパン政策室室長を経て、現在はOKシードプロジェクト事務局長。
ドキュメンタリー映画『遺伝子組み換えルーレット』(2015年)、ドキュメンタリー映画『種子ーみんなのもの? それとも企業の所有物?』(2018年)いずれも日本語版企画・監訳。共著で『抵抗と創造のアマゾン-持続的な開発と民衆の運動』(現代企画室刊、2017年)で「アグロエコロジーがアマゾンを救う」、『イミダス 現代の視点2021』(集英社2020)で「種子法廃止に続いて「種苗法改定」で、農家に打撃!?」、『命を守る食卓』(宝島社2024)を執筆。その他、『世界』(岩波書店)などで記事を執筆

2026年2月21日第9回なごや国際オーガニック映画祭 印鑰智哉氏

講演資料要約

日本の農業・食料問題

  • 米の生産量と消費の減少: 米の生産量は約50年で半減し、米の消費減少と小麦の消費増加により、食料自給率が低下し、輸入依存が高まっています。
  • 農業政策の偏り:

政府は、大規模化、スマート農業、輸出拡大を柱とする農業予算拡大を進めていますが、農家の戸別所得保障は含まれていません。

農家の減少、農村の消滅の危機にあり、農家の数は50年間で7割減、米生産量は4割減となっています。ほとんどを占める小規模農家(2ha未満が約82%)への支援は極端に薄く、大規模農家への支援に偏っています。

  • 危険な栽培技術の推進: 大規模化を目的とした「節水型乾田直播」は、高額な投資、農薬・化学肥料の使用が前提となり、収量が不安定で、雑草イネ問題や農薬耐性雑草の発生、カドミウム汚染のリスクを増大といった問題点を抱えています。
  • 人為的突然変異育種の推進: 「コシヒカリ環1号」など、重イオンビーム照射によるカドミウム低吸収性米への主要品種の全量切り替えが農水省の方針とされています。これはマンガン不足による病害リスクを伴います。

「ゲノム編集」食品の販売や、重イオンビーム育種が日本の有機JASでは認められるなど、有機農業の国際基準(IFOAM)と大きく異なっている点が指摘されています。

  • 超加工食品の規制の遅れ: 世界で規制が進む超加工食品(Ultra-Processed Foods、UPF)について、日本では規制がなく、逆に機能性食品表示などで推進している状況です。

解決策としてのアグロエコロジー

  • アグロエコロジーの推進: グローバルな食のシステムから、生態系を守るローカルな食のシステムへ転換すること。水田での田植えは、連作障害防止、雑草抑制、ミネラル補給、洪水防止など多くの多面的機能を持つと再評価されています。

地域で有機的に循環するアグロエコロジーこそが真の解決策。食料システムの転換には、種(タネ)のあり方が最も重要であり、在来種・伝統食を見直すことが有機農業に適しているとされています。

単なる環境に良い農業だけでなく、食のシステムの独占を変え、都市と農村の関係、コミュニティを回復することを含み、持続可能なシステムとして国連でも推進が決定されています。

  • 国際的な動向: 国連のFAOも大規模化・企業化路線を転換し、小規模家族農業とアグロエコロジーを重視する方向に進んでいます。
  • 地域の成功事例:韓国では、地方自治の進展により、「親環境オーガニック無償給食」で地域産100%の米を使用、地域循環型の仕組みが構築されています。
  • アグロエコロジーの広範な影響: アグロエコロジーは、環境だけでなく、独占的な大企業による食のシステムを変え、都市と農村の関係を変え、女性の権利回復を含む人間関係を回復することを目指しています。

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