衝撃的な数値だ。日本の餓死者が世界の餓死者の3割を占める。日本の食料保障の現実はアフリカ諸国よりも脆弱だったとは。
核戦争が起きると直接放射線被ばくで死ぬ人の十数倍の人が食料難で餓死すると想定されている。核爆弾による粉塵による被害と食料輸入が止まって2年で食料供給が尽きる。比較的少ない核兵器が使われた核戦争でも日本は6割が餓死。そのレベルの核戦争ではアフリカの多くの国は影響をうけないのに、日本は大半が餓死する。
もちろん、先進国の中で、それは日本だけ。世界の餓死者の約3割はなんと日本(1)。米国の大学研究チームによるシミュレーションに過ぎないが、そこまで日本の食料事情は脆弱であると指摘されていることはしっかり受け止める必要がある。
核戦争がなくとも、輸入が止まれば、日本では畜産はほとんどストップ。野菜もタネがないので作れなくなる。化学肥料も使えないので、自家採種している有機農業・自然農法やっている人以外は生産の継続も難しくなる。
核戦争でなくとも輸入が止まることは非現実的な想定ではなくなってきた。気候危機による自然災害、紛争、感染症パンデミック。こんな事態になっているのに政府は食料自給率を上げることには消極的。要するに米国からの食料輸入を国是=前提にしてしまっている(食料政策における安保体制)ので、それを変えない限り、上げようがない。だから農業強化策も農産物輸出のみになってしまう。
しかし、このような事態では輸出を考えている場合じゃない。こんな脆弱な日本に一体誰がした。今は、地域の食を強化するために目の色変えて必死に動かなければならないのに、それでも政府に動きは見えない。生産をむしろ減らすことが政策の柱だったりする。
自民党はその一方で細胞農業推進議員連盟を立ち上げた。細胞農業とはまさに細胞を育てる農業。動物の幹細胞を取り出して、それを培養して、肉にする細胞培養肉のように細胞だけを育てる。細胞農業の工場作れば食が確保できると思うかもしれない。食料危機対策になる、と。でも、それはありえない。
細胞を培養するためには、細胞を育てるためのミネラルを供給しなければならず、それには大量の大豆などもやはり必要になる。大豆などの大量輸入も国内生産もできない状況では、細胞農業の工場作っても肉は作れない。食料危機の解決にはまったく役立たない。そんな役に立たないことにお金使っている場合じゃないのだ。
また、他国に食料を頼る脆弱な日本にとっては国際関係の安定は何より重要となる。国際的な紛争はそのまま日本で飢餓の最大の要因になりかねない。それなのに他国を必要もなく、挑発したり、歴史的事実を書き換えようとする政治勢力が増えている。身の程知らずとはこのことだろう。歴史に学び、世界の人びとと和解し、世界に貢献できるようになってこそ、本当の意味の誇りも回復できる。そうしなければこのままでは名実共に日本は本当に滅びてしまうだろう。
核兵器を全廃させ、国際間紛争を起こさせない努力はもちろん必須だが、気候危機や生物絶滅危機、感染症パンデミックも危険は高まるばかり。
だからこそ、地域の食のシステムを急いで立ち上げる必要がある。そしてそれを自然の循環を生かしたシステムにしていく必要がある。まったなし。
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(1) 核戦争後の「核の冬」 食料不足で世界の50億人犠牲、日本では…
https://digital.asahi.com/articles/ASQ8N5J2HQ8MPLBJ002.html
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