寒波のくる季節、寒い冬のむこうに見えるのは春の兆し、桜の枝をみればわずかにふくらんたような気配。その気配を思うことのできる日本の四季は素敵だとこのごろはつくづく思う。でもそのつぼみを摘みとってしまったら花は咲かない。私たちはつぼみを摘み取って暮らしているのかもしれない・・・・
【チョコレートと児童労働】
7人に1人、9人に1人、10人にひとりと世界での児童労働の子どもの数の割合は世界労働機構(ILO)の4年ごとの発表で変化する。昨年2017年9月に発表された世界の児童労働に従事せざるを得ない子どもたちは1億5200万人、日本の人口より多い数字。数字の1人1人の子どもたちは精神的にも肉体的にもまだつぼみ、本来それぞれの花が咲くはずの人生が、大人達の愛により大切にされなければならない命が痛みつけられ、尊厳を奪われ、命を削っている現実を知らずして生活している今の私たちの暮らし。
【バレンタインとフェアトレードのチョコ】
そして季節はバレンタイン。カタカナの作り手の名前がならび、きらびやかなグラビアでPR。むなしさを感じます。思いを託してチョコを贈る、そんなやりとりを見るのは微笑ましい。でもそこで一歩ふみとどまって、この季節だからこそ児童労働のことを知るきっかの季節にしたいと願う。本当の1人1人の幸せを願う季節にしたいと思う。フェアトレードのチョコレートを選ぶことで、児童労働をなくしたいという一票につながります。買い物は投票です。
1996年にフェアトレード・ショップ風”sがオープンした当時、フェアトレードのチョコレートは他にはなく、ピープルツリー(PT)がヨーロッパから輸入したものが1996年「マスカオ」という銘柄で売られていた。1999年にPT企画のチョコレートが登場した。種類は5枚だけで作っているのはスイス。カカオはボリビアの生産者団体エルセイボのカカオ、砂糖はフィリピン・ネグロス島のマスコバド糖でした。
今は50g板チョコも13種類、100gチョコ、デザートバーと種類も豊富になりいろいろ楽しめます。美味しさは、長年の支持、販売している店の広がりでもわかるように、味が違う。それは植物由来の油脂などは使わず、カカオバターが豊富、乳化剤を使わず最高72時間、普通の3倍近く練っている時間も心もそこにあるからだと思う。そして味には現れないかもしれないけれど、見えないけれど子どもたちの過酷な労働の末のカカオは含まれず、フェアトレードのマークでわかるように無農薬有機栽培に準じる方法で作られています。
【「風のたより」と「ふ~ず新聞」】
1996年6月から紙媒体で毎月発行、発送していた風のたよりは15号まで。
16号からはオンライン版179号まで発行。
2016年6月に正文館書店に移転してからは「ふ~ず新聞」として9号まで発行。
ふ~ず新聞 チョコ特集はこちら
チョコの関連記事は下記へ
122号・144号・145号・157号・167号にもチョコのことが記載されています。
以下一部抜粋
■ 世界の軍事費の約5日分110億ドルで8000万人の子ども達へ基礎教育費
世界労働機構(ILO)は18歳未満の子どもの人身売買、子ども兵士、子ども売春・
ポルノ・麻薬密売などの犯罪行為など、最も危険で有害な労働を「最悪の形態の児
童労働」と定義し、即時撤廃を求めています。
■ 児童労働と私達はつながっている
コーヒー・バナナ・チョコレートの原料のカカオや砂糖・ゴム・Tシャツなどの
綿・携帯電話に使われる希少金属(レアメタル)など、身の回りにある品々は世界
から届いています。だから食べたり、身にまとったり、便利な道具を使う事によ
り、間接的に子どもの体や心の健康的な発達をさまたげていることになります。た
だ目の前で見えないだけ。
想像しよう! どうしてそうなるのか考えよう! そして出来ることを行動しよう!
■ フェア・トレードの理念の一つは児童労働よって作られていないこと
フェア・トレードの理念は10あります。「生産者への仕事の機会提供」「透明性
とアカウンタビリティ」「能力向上」「フェア・トレードの推進」「公正な価格の
支払い、必要に応じて前払い」「男女平等」「安全で健康的な労働条件」「子ども
の権利を守る」「零細な生産者との長期的な関係」
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「ちりめんじゃこの歯ぎしり」かもしれないけれど、やっぱり伝えていきたい。私たちの暮らしは誰かを犠牲にしてなりたっていることを。バレンタインによせて
~名古屋をフェアトレード・タウンにしよう会の「なふたうん新聞」も2月で100号を迎えます~