あふれる美辞麗句より、温かい涙のような心を届けたいバレンタイン
1996年、フェアトレードの店を始めたきっかけはフィリピンのバナナとインドネシアのエビの話。私たちにはお馴染みの食材ですがその陰には過酷な東南アジアの人々の生活の上に成り立っていたことを知ったのがきっかけでした。
昔、バナナは病気になったときに食べられる高級品だったそうです。それが安価になって流通した陰にあるプランテーション(単一食物栽培)による熱帯雨林破壊、生態系破壊による病虫害駆除の農薬、化学肥料投与、大地もそこで働く人々も蝕まれていく。そんなバナナを食べている暮らしが実は20年経てもまだ続いている。それはフェアトレードがそれほど広がっていないことの証かもしれない。
オルタ-・トレード・ジャパン(ATJ)の昨年12月のHPによれば、日本の商社のバナナ農園で働いている人々が飛行機による農薬の空中散布を止めてほしいと訴えている。仕事があることはありがたいとしながらも学校の近くでも散布は行われ健康被害が心配と言う。空中散布では逃げる場所がない。
スーパーでは、高地栽培とか提携農家とかよさそうなキャッチコピーで、生産者の真の姿は伝えられていない。安いバナナはその証。でもなかなか生産者の生活や健康や人権や環境を守るバナナを見つけることは難しい。でもとても身近なバナナだからこそ、そこから生産現場の事実を知るきっかけはある。
チョコレートも同じ。身近なそして幸せにしてくれる美味しさゆえに、その陰にある世界の児童労働の問題は、明暗のコントラストが際立つ。
あふれる美麗美句より、温かい涙のような心を届けたいバレンタインのフェアトレード・チョコ
このカカオから作られる美味しい食べ物を、苦い涙ではなく、温かい涙で溶かしたい。
そんなことを願う2月です。
今年になってから高校1回・中学1回・小学校3回・大学1回とワークショップや講演が続きます。
伝えてきます。「チョコレートの来た道」フェアトレード・タウンのこと。