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フェアトレード産品紹介・書籍・映画・食・気になる企画・情報など

4月24日 今日はラナ・プラザ(バングラデシュ)ビル崩壊の日(2013年)

2022年4月に「メイド・イン・バングラデシュ」の映画が名古屋でも上映されました。ゆっころんが映画のあと20分くらいバングラデシュの生産者を訪ねる旅のことなどお話する予定でしたが都合がわるくなり、資料をお渡しすることになりました。

『メイド・イン・バングラデシュ』             2022年5月12日

 

土井ゆきこと申します。フェアトレードの店を始めて27年になります。

現在は、名古屋市でフェアトレード産品の卸と、豊田市の山里の古民家で夫のカフェ・民泊「風の庭」を手伝いながら2カ所住まいの生活をしています。本日はお話の機会を頂きましたが、事情により資料提出とさせて頂きます。

 

初めに

クイズ 1  日本で1年間に破棄される(ゴミになる)新品の洋服は何着?

  • 1億    ②5億     ③10億

 

クイズ 2 それらは、1年間作られる服の「何枚に1枚」になりますか?

A=4枚に1枚   B=6枚に1枚  C=10枚に1枚

 

★どうして?

 

大量生産・大量消費→大量廃棄で 現在の地球は、現実を理解したら絶望的になる環境危機です。でも希望はあると青年環境活動家の谷口たかひささんは語ります。

 

きょうの映画を見にきてくださった人達は、多分これらのことはご存じだと思います。だからこそその現場を見たいという思いで来館されたと思います。

 

今日の映画で、その大量生産の現場の生産者の状況の一部を見ることができました。95%が主演女優さんの事実に基づくということですが、実際はもっと厳しい現実があるようです。例えば

バングラデシュの衣料工場で火災が起き、120人以上が焼死したという記事がありました。他でも読んだことがありますが鍵がかけられていて逃げ出せなっかたという事実が何度もあります。

 

衣料工場で働く人々の生活環境も劣悪で、共同のトイレも、炊事場のコンロなどもとても(例えば100人に3~5つとか)少ないという状況を、フェアトレード団体ピープルツリー創始者のサフィア・ミニさんから聞いたことがあります。

 

バングラデシュの衣料工場で働く女性たちは若い、30代過ぎると体力を使い果たしてしまうのか…?

国が勃興していく過程では、若い女性たちの犠牲を伴うものなのか、

 

明治・大正時代の女工哀史「あゝ野麦峠」にあったように、製糸工場で働く若い女工たちの労働も過酷で、彼女らのちからで日本の経済が発展して行きました。その背景には、農村・山村での過酷な女性たちの暮らしがあり、工場で働いた方が仲間はいるし例え過酷な状況でもましなような、またお金を得ることで縫製や製糸の仕事を自立する一歩と感じ取っているのも似通っているのではないかと思います。

 

フェアトレードってご存じですか?

 

・「フェアトレード」は、世界経済や流通システムの歪みによって貧困に追いやられている途上国の人々を支えるために始められました。

・寄附や援助とは異なり、立場の弱い人々が正当な報酬を受け、誇りを取り戻して自立することを共に目指す、対等なパートナーシップによる貿易です。

 

・特徴

1)対等なパートナーシップ

2)公正賃金・安定発注(必要に応じて前金払い)

3)伝統継承(文化を守る)・情報提供(技術指導含む)

4)持続可能な生産(無農薬有機栽培など)他に遺伝子組替不使用・児童労働など労働搾取禁止

 

・種類

フェアトレードには、食品(チョコ・コーヒーなど)・衣類・雑貨などがあります。

そのなかでも今日は衣料について述べます。

 

バングラデシュへのスタディ・ツアー参加

私がバングラデシュへ行ったのは、1996年の年末と、2012年のツアーの2回です。

2回目は、フェアトレードの団体ピープル・ツリーの取引先タナパラ村訪ねをました。

手仕事が大切だということ、建国浅いバングラデシュの人達が子どもの教育を大切にし、国を良くしていこうという心意気にあふれていることを感じました。

 

首都ダッカから6時間の田舎、タナパラ村のスワローズという団体は、子どもものために学校を作り、近所の公立学校へ行けない貧しい子らも受け入れていました。

 

そこでは朝、国旗を掲げ、校長先生がリードして体操していました。私たちツアーの参加者も子どもたちの前で一緒に体操をして楽しみました。

 

また、歓迎の船にのせてもらった時に、バングラデシュの人たちが太鼓やアコーディオンのような鍵盤楽器に合わせ、何曲も次から次へとこころ一つにして唱和していたのが印象的でした。私たちが次から次へと、心合わせて唱和する曲が一体何曲あるかしら?と思いました。

 

【タナパラ・スワローズ】の歴史

 

1971~72年バングラデシュがパキスタンから独立した時に、成人男性たちは川の向こうに行かされすべて殺された。その時まだ少年だったライハンさんが今の代表ですが、初めはスェーデンのNGOスワローズが、10年間残された女性たちに男性の仕事だった機織りを習得させ、仕事づくりをした。その後タナパラ・スワローズとして独立した時にライハンさんが代表になりました。

 

スワローズは、女性たちの仕事づくりだけでなく、教育プログラム・保育所・ドメスティックバイオレンスの対応(男尊女卑の社会がまだある)・医療の40%スワローズが負担・持続可能な農業プログラムによる、3か月に一度トレーニング・小口融資など幅広い活動をしています。

 

【フェアトレードの衣類の制作の特徴】

・手織り、手つむぎ、草木染(または発がん物質を含まないアゾフリーの染料)・酸素漂白(塩素漂白ではない)、手刺繍など、機械(マシーン)より働く機会(チャンス)を作ります。特に女性たちの仕事づくりに力を入れています。

 

なぜでしょうか? 女性たちは得たお金を子どもや家族のために使いますが、男性はたいてい自分のために使ってしまうからです。女性の地位の低い途上国(現在はグローバルサウスともいい、地理的には分けられない、資本主義のグローバル化によって負の影響を受けている地域や人々)の女性たちが経済的に自立することは、彼女らの自信につながり社会的にも大きな力となります。日本でも同じことがいえます。

 

・洋服づくりは、いろいろな分野があり、工程がありますが、それぞれの工程にかかわることで技術が身につき、誇りをもって仕事ができ、いざという時に自立の助けになります。SDGs(人類がこの地球上で暮らし続けていくために2030年までに達成すべき目標)の8番目の目標「働き甲斐」につながります。

 

経済成長も8番目の目標であげていますが、経済成長を求めていては、環境危機を防ぐことはできないと「人新世の『資本論』」の著者斎藤幸平さんは述べています。グローバルサウスやグローバルノースについてもこの本で知りました。日本の30代の若者たちが環境危機に声をあげています。前述の谷口たかひささんもその一人です。

 

一方、大量生産の現場では、限られた一つの工程を毎日することになります。誰がしても同じことをする、機械の一部のような仕事で、人の使い捨てです。

 

・フェアトレードの専門ブランドのピープル・ツリーは、2007年からいち早くオーガニックコットンに取り組みTシャツやアンダーウェア・ベビー服・シーツなどオーガニック・コットン製品をそろえています。他のフェアトレードの団体も竹布など自然素材を利用したり、環境問題に取り組んでします。

 

ここでクイズ 3

 

世界の耕作面積の2.5%がコットン畑ですが、

世界のコットン畑での殺虫剤の使用量は、 a=5%   b=7.5%  c=16%  【cが正解】

 

世界最大の綿花の生産国

インドのコットンの場合、遺伝子組み換えになってから、種の値段は80倍になった。

インドのコットンの95%は、今や遺伝子組み換え。

インドのコットンベルト地帯では27万人が自殺に追い込まれた。

フェアトレードは貧困問題だけではなく、環境問題、人権問題にも深くかかわってきています。

【1ページのクイズの答え 1は、⓷10億 2はAの4枚に1枚】

2013年4月のラナ・プラザビルの崩壊

みなさんは、9年前2013年4月のバングラデシュの首都ダッカ近くのラナ・プラザビルの崩壊を覚えてみえますか?

死者1,127人、負傷者2,500人以上。崩れてきた建物や機械にはさまれ、腕や足を切り落とさなければならない人もいました。

私たちが、安くていいものを求め続けるしわ寄せは、このような結果にたどり着いたのです。

 

この事故を伝えたニューヨークタイムズの記事を読んだ青年が「ザ・トルゥー・コスト」という映画を翌年の2015年につくりました。彼はファストファッションで育ってきましたが、それまで作り手やその生活のことは考えたことがなく、経済社会の異常な一面を見たといいます。このように多くの人が疑問を抱いていないのなら「命を奪うより、支える行動をしよう!」と制作した映画でした。

 

ファストファッションとフェアトレードファッションの違い

タナパラ・スワローズに、ラナ・プラザで働いていていた女性がいます。ラナ・プラザの3Fで働いていた。10F を増築中だった。テーブルの下に隠れていて助けられた。ファストファッションの衣類を作る工場と、フェアトレードの服を作るスワローズの違いを語ります。

 

サビーナさん(PTより)

  • タナパラ・スワローズでは、出稼ぎに行かなくても家族と一緒に暮らせる。
  • ラナ・プラザでは、給料は4000タカで、残業代含め7000くらい。遅刻・欠勤は給与から引かれる。寝るのは夜中になる忙しさ。

スワローズは、出来高制で8000~1万タカ 1着づつつくるので、やりがいがある。家でできる仕事は持ち帰ってできる。

  • スワローズの職場は喜びで満ちている。達成感ややりがいがある。作った服がどんな人々に届くのかを感じられる。仕事に誇りを持っている。

土井ゆきこ   サフィアミニ

2012年

スワローズの女性たち240人の前で、先進国では失われた手仕事の素晴らしさを話しました。

5子どもたちの声。2階建てのクラフトセンターで働く240人の女性たち。18年前のおつきあいから比べて8倍にも広がった建物にピープル・ツリー創始者のサフィアミニーさんは、感慨深げでした。

とはいえ、2012年の旅行の主な目的は、いかに製品不良をなくして技術を向上させるかということ。写真はその時の集まった女性たちの前で、製品不良の改善の話のあと、サフィアミニーさんから「注意ばなりだったから、みんなが元気が出る話を」と要請され、手作りの良さを話しているところです。イギリスのスタッフも、年2ヶ月はここに滞在をして指導をしていました。(宣伝に使わない経費はこのような形で生かされていました。)

バングラデシュにある他の衣類制作団体の代表なども集まり、何が原因で製品不良が生まれるのか一緒に考えようと呼びかけていました。何度も停電するような生活のなかで、みんなで暮らしがなりたつように、互いに手をつなぐ姿をみることができました。

こんなことがありました。念のため懐中電灯を持ってトイレに入ったものの、突然真っ暗になり、どこへ置いたか探すのに大変でした。また、ガスもない暮らしで、牛の糞を乾燥させ燃料としています。

このような生活の違いのなか、女性たちは先進国で売られる服をその国の人たちの要求するレベルに応えるべく努力しています。商品開発にあたっては、まず現地の女性たちに何ができるかということから考えていき、一方的に押しつける注文方法ではないと聞いています。

実際、ずいぶん以前ネパールの生産者団体では、よく停電しミシンも使えない状態の時も多く、技術の未熟さもあって、ボタンホールの代わりに紐で閉じるデザインにしたこともありました。

きょうの映画は衣類がテーマでしたが、衣食住すべてにおいて、私たちは知らない間にグローバルサウスの人々を犠牲にし、気候正義を犯しています。日々の生活に追われているうちに、気がついたら子どもたちに手渡すべき「借りてきた地球」が住めないことになり、子どもたちから「一体、大人たちは何をしてきたんだ!」と言われることでしょう。一人一人の暮らし方が変わり、その波紋が地域へ世界へと広がるイメージをもって、今からでもあきらめずスタートしましょう。フェアトレードは買い物から行動ができます。

 

・環境活動家の谷口たかひささんの国連スピーチも6分ほどなので聞いてみてください。

斎藤幸平さん著『人新世の資本論』ベストセラーですが、さらに多くの人に読んで欲しいです。・中田敦彦さんのYou Tube大学「大量廃棄社会①」も面白くわかりやすい。おススメです。

環境危機・気候正義が叫ばれるなか、戦争なんてありえないです。

Climate Justice (気候正義)とは、先進国に暮らす人々が化石燃料を大量消費してきたことで引き起こした気候変動への責任を果たし、すべての人々の暮らしと生態系の尊さを重視した取り組みを行う事によって、化石燃料をこれまであまり使ってこなかった途上国の方が被害を被っている不公平さを正していこうという考え方です。

 

沖縄 伊江島の 平和運動家 阿波根昌鴻(あはごんしょうこう)さんの言葉

『平和の最大の敵は無関心、戦争の最大の友も無関心』

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食のことから、中田敦彦さんの YouTube大学を知った。とても面白く大切なことを伝えていた。伝える方法の大切さを知った。

そして衣類のこの動画も今日改めて見た。

やっぱり面白く、しかししっかり教えてくれている。

ただし、残念なことに彼は知らない「フェアトレード」のことを。

とても残念だ。後日彼は受注生産のブランドをたちあげた。

その時の動画ではひとこと「フェアトレード」がでてきた。きっと誰かが伝えたのでしょう。

今日ピープルツリーが開催した【ファッションレボリューション】フェアトレードでつくり手も村の子どもも幸せに タナパラ村のスワローズの取り組みを次回紹介します。

 

 

 

 

 

 

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