沖縄カカオプロジェクト ニュースレター Vol2 Jan.2020
■本格チョコレートづくりスタート
一部紹介
Bean to bar方式でも、更にカカオバターを入れないという難しい選択をしたネパリ・バザーロのチョコレートづくりは、カカオに本来ふくまれている油分(カカオバター)だけでつくるため三昼夜、72時間かけて磨砕して充分に油分を引き出し、酸味・苦みなどカカオの特徴もこなれてまろやかな味わいになるということです。
サラサラにしたカカオマスを一旦個化して熟成、カカオがドンドン美味しくなるという「リサチョコレート」のニュースレターです。
昨年2019年10月に、カカオフレンズツアーに名古屋から3人が参加したのでその感想も掲載されています。
カカオフレンズツアーに参加して 高橋美穂、たかだ洋子、土井ゆきこ
祖国復帰闘争碑(辺戸岬)http://huzu.jp/blog/4028/
カカオプロジェクトが、なぜ沖縄なのか、なぜ福島の子ども達の保養支援を目的にしているの か、わかるようでわからなかったが、実際に行ってみて、会ってみて、このプロジェクトを私たち なりに理解できたと思う。
いよいよ10月になって、旅程をもらい、訪問先にはプロジェクトに直接関わる生産者の人たち だけでなく、伊江島のヌチドゥタカラの家の謝花悦子さんや、米軍の暴力と闘っている高里鈴代 さんとの面談なども企画されていて、少し意外だった。春代さんは、フレンズの私たちに何を知っ てほしいのだろう。春代さんに聞いてみると「沖縄の歴史を知ることでこのプロジェクトの意味 がわかる」ということでした。
プロジェクトに関わる人々との会話から、また現場の様子から、沖縄カカオプロジェクトは、 一つ一つのプロセスを丁寧に積み重ねてきていること、ネパリ・バザーロのこだわり・想いを大 事にして作り上げられていることを実感した。
チョコレートの甘味は沖縄の黒糖。西平黒糖さんでは、先代の想いと技術・味を受け継ぎ、大 学生の息子さんも加わり家族で守っている黒糖だということがわかった。その黒糖は今まで味 わったことのない体に染み入っていくような自然なおいしさ。 訪問した僅かな時間の中にも地元 のお客さんが来られ、何気ない会話から、地元の方の生活の一部としてある味だと感じた。
カカオニブをつくっているネクストステージさんでは、小さな規模、少人数で作業されており正 直びっくりしたが、利用者さんが楽しそうに、それでいて品質にこだわり、いきいきと仕事をして おられたことが印象に残っている。
久米島でカカオを栽培する阿嘉さんは「今までにない難しさ」と話しておられたが、栽培する 環境づくりに試行錯誤し、まだまだ小さな苗木を大事に育てておられる。もう少し育ったら移植 されるはずのハウスにも案内してもらった。
久米島でプロジェクトのコーディネーターをされているのが熊谷さん。「球美の里」の近くで週 に二回のパン屋さん。お店に私たちのチョコが並ぶ日が来るといいね。球美の里に保養に来る母 達にも知ってほしい。彼女とプロジェクトをつなぐきっかけになったのはネパリさんのコーヒー とのこと。フェアトレードが人と人をつなぐ、つながっていくことによる可能性を改めて感じる。
「球美の里」図書室、向こうはカフェ
福島の子どもの保養を行う「球美の里」では素敵な出会いがあった。幼稚園の時に保養に来た縁で 久米島に移住してきた男の子と、大学生時代にボランティアで来た縁で現在、久米島で小学校の 先生をしているという二人。偶然にもその素敵な二人に出会うことができた。
その男の子は、こ の度の台風の被害により被災している福島の人を元気づけようと、島で習った三線の演奏と島唄 で「自分も福島の原発事故の時に大変だった。どうかふんばってほしい」とメッセージを届けた そうだ。
球美の里に掲示している手紙には、「自分に自信がなかったけれど、ここに来て自分が この世で必要とされていて、嬉しかった。だれにでも生きる理由があることを教えてもらった」と の言葉があった。球美の里は一時期の保養の場所でもあるが、その先をつくっていく、未来を生 きる人を育む大切な場所だということが胸に響いた。また、その背景にある原発事故が起こした ことの大きさに改めて気づかされた。
偶然にも私たちの印象に残ったのは、伊江島のヌチドゥタカラ(命こそ宝)の家で、謝花悦子 さんに職業を問われ、土井がフェアトレードの説明を少し、ネパリ・バザーロが28年、風”s(ふー ず)が24年、続けていることを伝えると、謝花さん、いたく心を動かされたこと。
それは、春代 さんが何度もここを訪れ、資料も送り届けていた上での、スイッチオン!の瞬間でした。 「生きているうちに阿波根昌鴻に会わせたかった」とも言われました。「資本主義はなくならな いけれど、富の公平な分配が必要だと言っていた。」とのお話もあり、資本主義にあらがうフェア トレードとしての位置を確認。暮らし方、生き方を見直すという思いに、今の社会に変化の扉を 開く意味があるのだと、ど~んと勇気づけられ、私たちに本当に必要な出会いであり、フェアト レードの意味を知る出会いでもありました。
久米島の「球美の里」は、福島で大量に被爆した子ども達にひとときの休息の場を提供してい る。私たちのチョコレートは、この施設への寄付金を価格に含むものもある。沖縄で育ったカカオから本物 のチョコレートを販売するという沖縄カカオプロジェクトは、そのチョコレートを買う人を一瞬 のうちに私たちの思いへとつなぐ。沖縄でカカオを育てる挑戦、伝統のままの黒糖、カカオニブ を作る働く人たち、陸前高田で震災に負けないで生産を続ける人々と、今の時代の一番弱いとこ ろにいる子ども達へのまなざし。
この「つなぐ糸」は、チョコを買った人の心が「球美の里」に 届き、その先につながっていくのだとわかったような気がします。将来はぜひ、那覇空港に、この チョコレートを売る売店を実現したいね。 今の時代に、人は何を信じて行動すればいいのだろうか。それは、歴史を知ることだと思う。 そこに生きる人々の過去を知っていることで、「本当にそうでしょうか」と自分で問いを立てて 考えることができるようになる。
2019年5月26日講演の土屋春代さん
講演内容はこちら←見てほしいです。
カカオプロジェクトには、その大切さを伝え、未来を夢みる力 がある。土屋春代さんが「沖縄、福島、深く知ることで様々な問題が見えてきます」そして「将 来に夢があること」「ともに夢を追う仲間がいること」と語るこのプロジェクトに、私たちはこ ころを動かされています。
★2020年1月25日 沖縄カカオプロジェクト・ツアー報告会開催します。
http://www.nagoya-fairtrade.net/?p=21571
【日 時】1月25日(土)13:30−15:30
【参加費】700円(当日1000円)
【定 員】30名 マイカップご持参ください。フェアトレードティータイム有り。
【会場】正文館書店本店5Fホール(名古屋市東区東片端町49)地下鉄桜通線高岳駅1番出口より徒歩7分
【申込】huzu■huzu.jp(■は@) 0090-8566-2638 土井