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フェアトレードとイギリスの経済学者JSミル

ユニオン学校で

日時:2019年9月18日(水)午後6時半~

講師:土井ゆき子さん テーマ

『風の交差点になる夢を追い続けて ー 人と地球、人と人を、つなぐ フェアトレード』

生き方への提案

ゆっくり、簡素に、暮らしを続け、土と繋がり、心を耕し、 おかげさまの関係性で支え合う共生社会に向かっていこう。

Slow and Simple Sustainable life with Soil will cultivate our Soul and make us live in a Society like OKAGESAMA tie.

というテーマで、たかだ洋子さんが、土井へ質問をし、コメントもするという形ですすめました。フェアトレードの話をする初めての形式です。洋子さんとは2006年ごろあいち国際平和映画祭を立ち上げ一緒につくりあげた時からのつきあいです。洋子さんのコメントで社会の仕組みへと話が深くなりました。

2019年9月18日ユニオン学校にて たかだ洋子&土井ゆきこ

■洋子さんのコメント

私の好きなイギリスの経済学者にJSミルという人がいます。マルクスが共産党宣言を出し た1848年、同じ年に『経済学原理』を発表、彼は、自分で自分を「社会主義者である」 と規定していきます。

マルクス主義だけを社会主義と考える人々からは、社会主義と認め られなかったのですが、ミルは、全ての人が幸せになるにはどのような社会がいいのかを 考え、社会主義は、歴史の必然ではなく、人類がいつか選択するシステムだと考えまし た。

ミルの提唱する将来の社会の提案が、土井さんの表現した生き方の提案の文章を見 て、まさにこれに近いと、私には、思えるのです。

経営者と労働者はお互いにその役割は 必要だけど、そこには上下の関係はない。人類は自分と自分の労働の関係がただ賃金を受 け取るだけというあり方のままでいるはずがない。

一人一人が自分らしく生きる「自由」 をいつか手に入れるはずだと、言っています。そして資本主義は成長しながら自然を破壊 し、文化を破壊し、人間の価値観は立身出世主義になる必然がありますが、いつか近いう ちに資本は経済的進歩の停止状態に必然的に到達する。

それが好ましいかどうかは価値判 断の問題であって、豊かな国がさらに成長しようとすると弊害の方が大きい。自然をさら に破壊し、人間性をさらに破壊して行く。

だから、豊かな国はそれ以上の経済成長を求め ないで人間的成長の時代に入るべきだと言っています。

フェアトレードが資本主義の成長 の原理に抗いながら別の生き方を提案しようとしているのは、私にはミルの提唱している 次の時代、資本の進歩ではなく、人間の進歩の時代に向かう道だと感じられます。

ミル は、ロシア革命よりも50年前、革命的社会主義を批判して次のような言葉を述べていま す。「用意のできていない人民を共産主義社会に強制することは、たとえ政治革命によっ てそのような試みを行う権力を得たとしても、失望に終わるであろう」

ミルは、制度の 改革はその制度を担う主体の形成と一体だから、人間性の進歩と歩調のあった制度変革を 主張したのでした。

フェアトレードは現在の仕組みとは違う仕組みを、担える人々、を育 てながら、ゆっくりと新しい時代を作っていく、一つの流れなのではないかと、私は思っ ています。

■たかだ洋子プロフィール
人生の経験からジェンダーに関心を持ち2018年修士論文提出。
修論のテーマは「ジェンダー・クオータとパリティ・デモクラシー」
今、なぜ、世界では、こんなに女性議員が増えているのかを研究しました。

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