3月17日~21日韓国のソウルを訪ねました。ソンミサンマウルという自分たちの思いを自分たちのちからを寄せて実現してゆく町、初めは子育ての環境づくり保育園づくりからスタート、ソンミ山の自然を守るために団結した行動が絆を強くし、さらに町は70の起業のまちへと発展。20数年を経て今は一人くらしの老後も視野にいれて暮らしやすい町に熟しはじめている、そんな町を訪ねました。
子ども時代があり、やがて老後という共に人の手を必要とする人々が一緒に共に暮らせる、人の本来持ちあわせている自然の部分がいきいきと暮らせるそんな町があちこちに誕生、アジアの国々をはじめ町ごとに交流もはじまり、政治での難しい問題も解かしていくそんな力になるコミュニティの町に注目!
2017年3月20日(月)icoop生協の若いお母さんたち200名に2017年第5期フェアトレード・サポーター養成講座の一つとして
「名古屋フェアトレード・タウンの取り組み~人と地域、そして地球とつながる実践~」と題して講演をしてきました。
200ページのフェアトレード・サポーター養成講座の冊子にも当日の「なふたうん」のパワーポイント資料が掲載されていました。ピープルツリーのドライマンゴ提供のフィリピン・プレダ基金のカレン神父さんも載っていました。ハングル語はわからないのですが、写真で児童労働のことも含め、すごくフェアトレードの勉強になる1冊だと思います。このように若いお母さんたちに年間を通じて勉強する機会をつくりフェアトレードをしっかり伝え、消費者としての自覚ができる企画をする組織にびっくりしました。
「チョコレートの来た道」参加型ワークショップ国際理解教育の話もしっかり伝えてきました。これは韓国の人たちにとって新しい分野だったと思います。
【韓国のフェアトレード事情】下村レポート
2017年3月韓国訪問
■FAIR ROUND
・ 城北(ソンブック)女子大の近く店が建ち並ぶにぎやかな通りを入った少しわかりにくい所にある。2階建て
・1階はキッチンと大きなテーブル
クッキ-作りなど地域の人が集まるイベント用(残り布で作ったタペストリーが飾ってある)
2階 店舗 KFTO(Korea council of Fair Trade Organizations)加盟団体(14団体)全ての商品を販売(展示の意味合いあり)
・2012年ソウル市と共に城北(ソンブック)区がFTシティ(タウン)になるために推進していくという宣言をした。
土地は区、建物は市、工事は区が出資。
2016年8月から準備、2017年オープンしたばかり
家賃なし
人件費・光熱費 スタッフマネージャー1人
店舗 2人
クラス 2人 計5人
*兼業している、マネージャーのソンさんは芸術家業しながら
・運営はg:ru(日本のPTのような)
来客は少ないが、見学者が多い (近くの生協や若者が起業した店などと
あわせて見学)
ここだけでは赤字なので今後を考えなければならない
■ g:ru
・北村(プクチョン):古い時代の建物が残る観光スポットの近くにある
・2007年設立
市民が団体を作り、同時に出資をしてお店をオープンした社会的企業
社会的企業法により国から2年間は補助があった。
現在5店舗展開。韓国初のフェアトレード・ファッションブランド
・g:ruは植物、特に木を数える単位の純ハングル
森を作ろうという気持ちが込められている
森は短時間には作れるものではない
1本1本の木が育って森になるように
一人一人の心が木になり、みんなでひとつになる森になることを望む
(PTと名前もファッションブランドというところも似ているおしゃれな店)
・経営的には苦しいが、FTを広めようという気持ちで運営
・当日お店のスタッフの方も、もとはお客さまで店の理念に共感してスタッフに
・スタッフは2人11時~20時
・商品は生産者さんと直接取引、生産者さんを招聘したりしている
■Beautiful Coffee
・大通りに面した大きなビルの1F 広いスペースのカフェ
ゆったりとしておしゃれ
・NPO ソウル他にカフェ4箇所
もともとソウルの貧困層の支援活動をしていた人達が海外にも目をむけよう!と2002年Beautiful Store 開店(リサイクルショップ)
タイの手芸品を販売(韓国ではじめてのFT販売) 沢山売れ残った。
消費者が求めているものは? と考えコーヒー取引開始
★現ソウル市長は、設立時のメンバー
Beautiful財団でFTをはじめようと言ったのは市長
その後辞めて他の団体へ
現在は、チョコレートやナッツ、砂糖など10ヶ国と取引
その後、もっと広めたい! とカフェスタート
・FTを広める大切さを感じ、中高生教育スタート
同時に生産者さんへの良質のコーヒーの作り方サポートも
協同組合と取引しているので運営の仕方も教育
(直接取引はネパールのみ2006~生活支援・教育支援・地震支援)
・今ではネット販売・カフェ・生協など計750箇所で販売
その内一般カフェへの豆の販売は200箇所
その内10箇所は、全てFT豆のものを出している
(定期的に会員さんに焙煎したコーヒーを送る事業もあり、増えている。企業ケータリングも)
・5月FT月間にはイベントで100人に1/3価格で販売したり、募金箱を置いたり、セミナーをしたりしている
*テレビ通販も年数回→売上より広報目的
*ボランティアで有名人が広報
■Jigoo Village(地球村)
・ソウル支庁舎B1F
B1F・2Fは「市民聴」という市民に開放されたスペース、市民の考えや想いにソウル市が耳を傾ける場、市民が互いに意見を傾聴する場)
2013年~
市長がFTシティになるための政策を作り、人々が集まる空間として市庁舎にFTカフェを!
3年間はソウル市の補助をもらいKFTO所属団体12団体が集まって運営
今は、協同組合を14団体で作り運営 5名 正規 10名アルバイト 計15名
300種くらいの商品販売 90%FT 10%生協のものなど(FT以外)
14団体のうち7団体のコーヒーを3ヶ月ごとに交替展示をして紹介
ネパール・東ティモール・ルワンダなど
★コーヒー1杯の価格~3年2000W(200円)
4年~2200W(220円) スタバ 3000W~
最初にソウル市と相談して戦略的に安くして、沢山の人に飲んでもらえるようにした→他のメニューはほどほどの価格
・雑貨コーナー 4団体協同で
・展示空間2箇所 ソウル市のプロジェクトに応募して
ソウル市と一緒に新商品のプロモーション
~3年目までたくさんしていたが、文字ばかりだと拒絶される、今は少なめ
・お客様は上の階で働く公務員や、図書室があるので年配者、親子連れなど。会議のコーヒーとしても利用
・子ども達がWSしたりもする
★2018年市長再選されたようです。
■ソウルイノベーションパーク(革新パーク)にてKFTO懇談会
・前は、国の傷病センター(保健センター?)ソウル市長が市民の為の設備を作った。KFTOの事務所もここにある。
・ソウルでの取り組みと名古屋での取り組みを紹介